No.101

2007年10月25日発行

■地場野菜を地場野菜を学校給食に

■在宅介護を支えるしくみ「小規模多機能型居宅介護」

■10/5全国統一レジ袋NOデーに参加

■総合学習会の出前授業
「私の食が世界・地球をつくる」


〜市議会レポート〜
◇第3回定例会 一般質問より
●介護保険制度改正で見えてきた問題点について
●議会情報

地場野菜を地場野菜を学校給食に

「新鮮で安全な旬の地場野菜を学校給食に」これは生活者ネットの長年の政策です。最近、輸入農産物への不安から「地産地消」が見直され、作り手の顔の見える地場産の野菜を子どもたちに食べさせたいとの機運が高まっています。そこで、町田市内の小学校給食への地場野菜導入について、現状を調べました。

▼ 農地は市民の宝
町田市の農地は年々減少し(表1)、農家も減り続けていますが、今も約1000戸の農家(そのうち半数が販売農家)が、約600ha(05年度)の農地を守っています。

表1 町田市の農地の推移
田(ha) 畑(ha)
1980年 260 1159
1990年 161 999
2000年 121 785
2005年 98 703

都市に残る農地は、新鮮な野菜の供給だけでなく、 良好な景観を保持し、夏の暑さを和らげ、CO2 吸収による温暖化防止や水の涵養、 災害時の避難空間、 農業体験や環境教育のフィールド …等々、多面的な機能を持っています。

また「地産地消」は、食材の輸送にかかるエネルギー消費を表すフードマイレージの視点からも、地球温暖化防止に大いに貢献しています。農業の大切さを子どもたちに伝え「地産地消」を進めるために、学校給食に地場野菜を入れることは大きな意義があります。

▼ 取り組んでいる小学校は約半数
現在、町田市内の小学校40校のうち、24校が地場産の野菜を、2校が米を、31校が乳製品を献立の一部に取り入れています。
3年前から小学校に野菜を納入している上小山田町の農家、田中仁司さんによると、「小学校の栄養士さんから、旬のものを入れてほしいと言われていて、あらかじめ野菜の種類や出荷できる時期を伝えています。子どもたちが畑に見学に来たり、給食の時間に先生が、『地元の田中さんの野菜ですよ』と言ってくれているようです」とのことでした。

教育委員会学務課の栄養士さんによると、各小学校では、できれば地場野菜を取り入れたいと望んでいますが、農家との連携がなかなかできず、取り組めない学校もあるとのことです。 詳しい事情を、町田市農業振興課に聞きました。


学校と農家をコーディネートする しくみづくりが必要
▼農家の事情
町田市農業振興課によると、学校給食に納入できない農家の事情として、@多くの農家は多品種を少量栽培しており、学校からの注文量に応じられない
A反対に注文量が少ないため運ぶ手間が負担
B事務手続きが煩雑

Cジャガイモなどは大きさをそろえなければならない(調理に電動皮むき機を利用するため)
D搬入時間が早朝で限定されている
E泥を洗う設備や人手がない

等があるようです。これらの課題を解決して地場野菜を学校給食に取り入れていくために、同課では「地産地消推進事業」を進めようとしています。

町田市の主な農産物生産状況
作物 作付け面積(ha) 収穫量(t)
36 125
小麦 8 25
さつまいも 19 352
ほうれん草 58 606
じゃがいも 29 586
さといも 28 342
こまつな 23 419
だいこん 22 863
(多摩の農業統計H17年現在)

▼農家のグループ化や農協取りまとめ方式を検討
その一つが学校から注文される野菜の量・品目・規格にできるだけ応じるため、地区ごとに何戸かの農家でグループ(出荷組合)をつくるという方法です。
また、小学校の栄養士と農家が直接、注文・納品・支払いを行う「直接方式」のほか、農協が仲介となって、事務作業も含めて行う「農協とりまとめ方式」について検討されています。

「農協とりまとめ方式」は、農協が農家の事務作業を代行するものです。農協が地場だけでは足りない量を他産地で補えば、学校側の手間も軽減されます。

▼農家の負担には補助金を
学校に出荷する場合、野菜の規格の制約や早朝の運搬など、農家に新たな負担が増えます。補助金等の支援も検討課題の一つです。

▼エコファーマー 認定農家を増やそう
子どもたちに届ける地場野菜が「より安全であること」も重要です。市内の農家31戸が、減農薬や有機栽培など、より安全な農産物を生産する
エコファーマーと認定されています。農業振興課では、今後さらにエコファーマー農家を増やしていきたいとしています。

▼協議会の設置を
これら様々な課題を検討するため、農家・農協・学校の栄養士・教育委員会・農業振興課が一同に会する「協議会」の設置が予定されています。生活者ネットはこれらの施策が確実に進むよう、議会での質問につなげていきます


在宅介護を支える新しいしくみ
「小規模多機能型居宅介護」

住み慣れた街の中の、小規模でアットホームな雰囲気の場所で、決まったメンバーが集まって日中過ごしたり、そこに泊まることもでき、24時間体制で自宅への訪問介護も受けられる ― これが小規模多機能型居宅介護(※1)です。
町田市は、市内に4ヶ所設置する目標を掲げ、公募を行いました。しかし今のところ応募はありません。その理由について検証しました。


介護が必要になっても住み慣れた地域で在宅で暮らし続けたい―そんな願いに応えて、通い・泊まり・訪問を一施設で行う「宅老所」が、小規模多機能型居宅介護として制度化されました。

「ショートステイ(宿泊介護)がいつも予約でいっぱいで緊急時に利用できない」「慣れない施設で夜を過ごすより通いなれた所で泊まりたい」「夜間や緊急時に訪問サービスを受けたい」など切実な利用者のニーズに応えるものとして期待されています。

しかし、昨年からの町田市の公募には、まだ1件も応募がありません。
市内で既に類似のサービスを提供している
NPO法人みずきの会(※2)運営の『かいこ家』(本町田)では、デイサービス、ホームヘルプのほか、宿泊サービスにも取り組んでいます。代表・上田富代さんにお話を聞きました。

▼今回、応募されなかった理由をお聞かせください。
上田「この制度の設置基準を満たすための施設改修等に約2千5百万円かかりますが、助成金は上限1千5百万円なので1千万円を調達しなければなりません。また助成金を受けると最低でも10年は継続義務があります。賃貸なので家主さんの同意がなければ新たな場所を探さなければなりません。

さらに、夜勤もできるスタッフを最低4人確保し、準備期間から軌道に乗るまでの間、勤務に見合う賃金を支払えるだけの介護報酬が期待できません。指定を受けると、現在の利用者の何人かは、かいこ家を利用できなくなります。これらを考えると一歩を踏み出せないのです」

▼どのような行政の支援が必要でしょうか?
上田「町田市にはまず実施する地域の利用者のニーズ調査をしてほしいです。そして施設整備面での支援、準備期間の人件費の補てん等、スタート時の支援が必要です」

そこで、市の高齢者福祉課に聞きました。
▼市は地域のニーズ調査をする考えはありますか?
担当者「施設展開する事業者は綿密な事前調査をするようです。市が独自に調査をする考えはありません」

▼応募がない理由は?支援策は考えていますか?
担当者「赤字をカバーできる事業規模を持つ所でなければ難しいようです。今年も応募がない場合は地域密着型サービス運営委員会(市民・事業者・学識経験者で構成)で再度検討していきます」

現在、都内では既に24ヵ所に設置されています。熱意と経営力が求められる施設ですが、市民にとって必要なものです。指定権限を持つ町田市は事業者任せにせず、先進例・成功例を研究し、市内に1ヶ所モデル施設をスタートさせるべきです。町田市の積極的な姿勢が求められています。

※1 小規模多機能型居宅介護
06年の介護保険改正で地域密着型サービスの一つとして創設。通い(デイサービス)泊まり(ショートステイ)訪問(ホームヘルプ)を一施設で行うもので、対象は認知症と介護度が中・重度の高齢者。24時間体制で緊急時にも泊まりや短期入所が利用できる。一施設25人が上限で登録制。他の施設は利用できない。利用料は毎月定額(宿泊料は別)。指定権限は区市町村。

※2 NPO法人みずきの会
95年、地域デイホームとしてスタート。現在、デイサービス2ヶ所(かいこ家・森のさろん)「ヘルパーステーションみずき」「みずきの会ケアマネクラブ」の4事業所で在宅介護支援サービスを行っている。


10/5全国統一レジ袋NOデーに参加

昨年の容器包装リサイクル法の改正では、レジ袋の有料化は先送りされましたが、容器包装類を年間50d以上使う小売店にレジ袋削減の取り組みの報告が義務付けられました2010年までに日本スーパーチェーン協会はレジ袋の辞退率を30%に、コンビニなどのフランチャイズチェーン協会は35%削減、百貨店協会は25%削減を明言しました。

10月5日、「容器包装3Rを進める全国ネットワーク」主催の全国一斉アクション「レジ袋NOデー」がスタートしました。
町田・生活者ネットはこのキャンペーンに賛同している西友町田店の協力で、店頭でのアンケート調査を実施しました。

同店では6月からマイバック推進の取り組みを開始し、レジで「マイバックをお持ちですか?」と声をかけ、持参の場合は2円値引きしています。現在、持参率は40.8%となっています。

この日のアンケート調査でも、約半数がレジ袋を辞退しています。もらった人の理由の多くは「忘れたから」次いで「他に使うから」でした。レジ袋の有料化には8割の人が賛成でした。
店が積極的にマイバック持参を呼びかけることで市民の意識も高まり、協力が得られることが実証された好例と言えます。このキャンペーンは今年いっぱい続きます。

総合学習の出前授業
「私の食が世界・地球をつくる」

町田市立のある中学校で、総合学習「私の食が世界・地球をつくる」の準備が始まっています。私たちが毎日食べている食材が世界中から集められていることを知り地球環境に与える影響について学ぶ授業です。

授業を行うのは市民と保護者の有志。豆腐作り体験もあり、実行委員会ではサポートスタッフを募集しています。興味のある方は 左記に連絡を。
042-727-0760(菊地)

市議会レポート

第3回定例会〜一般質問より〜

昨年の介護保険制度改正で、これまで使えたサービスが使えなくなる事例が発生しています。「介護の社会化」という制度発足時の理念の後退が懸念されます。現場の声を質問につなげました。

「昨年の介護保険改正で、同居の家族がいると生活援助(家事援助)が保険内で使えなくなって困っている」という声が、介護事業を行うNPO法人のスタッフの皆さんから寄せられました。「例えば息子と二人暮らしで、お年寄りが日中独居となるが、原則的にはヘルパーによる食事作りなどに保険が使えなくなった。

しかし担当課に問い合わせると、例外的に認められるケースもある。毎回、担当課に問い合わせるのは非効率。また、ケアマネージャーによっても判断が異なり、利用者にとって不公平が生じている。例外として認める場合の解釈基準が必要ではないか」 との提案を受け、質問を行いました。

質問■ 同居家族がいる場合に、生活援助を認めるか否かの判断基準を示すべきでは?
判断に迷うケアマネージャーからの問い合わせに、個々に指導してきたが、その指導内容を「事例集」にまとめ、ケアマネ連絡会や事業所に配布する。


「判断基準」ではなく、「事例集」が配布されることになり、一歩前進となりました。昨年の制度改正で生活援助の適応基準が厳しくなったことが問題の始まりです。介護する家族を支え介護を社会化するという制度の理念が後退することがないよう、利用者の立場に立った柔軟な対応が求められています。
■質問■介護予防について総合的な情報を「広報まちだ」に特集するべきではないか?
「広報まちだ」に月1回、介護の情報を掲載している。70歳以上に配布する「福祉の手引き」に介護予防について載せている。さらに充実させていきたい

■質問■市民が介護保険を活用できるよう、「ケアプラン自己作成講座」開設を

ケアプランはケアマネージャーが専門的立場で作成する。昨年は6人が自己作成した。相談があれば個別に対応する。自己作成講座は人数が限られるので、広報の充実とケアマネージャーの資質向上に努める。

■質問■認知症高齢者と家族を地域で支える「認知症サポーター」。厚労省が進める「認知症サポーター 100万人キャラバン」を、市として取り組んではどうか?

今月から認知症サポーター養成講座を行い、500名の受講を見込んでいる。講師役を務めるキャラバンメイト養成講座(東京都)にも参加してもらう。


「ケアプラン自己作成講座」の必要性については市の認識とのずれがあり、理解を得られませんでした。「認知症サポーター養成講座」は質問前には担当課の反応は鈍く動きはなかったのですが、当日は思いがけず積極的な答弁を得ることができました。質問がきっかけとなり前に進んだことは成果です

■ 議 会 情 報 ■

○決算特別委員会の副委員長を務めました。決算委員会報告書の意見として提案が取り上げられました。要約して報告します

▼情報セキュリティを強化すること
▼管理職に女性を積極的に登用すること
▼子ども家庭支援センターの相談体制の充実と児童相談所との連携を強化すること
▼河川の水質改善のため石けん使用等の啓発を推進すること
▼学校図書館のインフラ整備と司書の配置を進めること
▼教育センターの事業内容の充実と場所を活用すること
▼下水処理場の高度処理の導入を進めること
▼地域密着型介護サービスを増強すること
▼介護予防サービスの利用度を高める事業展開をすること